
なら工藝館 Nara Crafts Museum
奈良の伝統工芸品の展示を無料で見ることができます。
- 場所:〒630-8346 奈良県奈良市 阿字万字町1番地の1
- 開館時間:10:00〜18:00
- 閉館日:月曜日


奈良の伝統工芸品
1998年に「古都奈良の文化財」の一部としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された正倉院は、天平時代を中心とした数々の美術工芸品が収められています。1997年に国宝に指定されています。この工芸技法は後の工人にも引き継がれました。中世、近世になってからは、ならまちの人々の生活の中で発展した奈良の伝統工芸品が生まれました。
- 古楽面
- 赤膚焼
- 奈良人形(一刀彫)
- 奈良漆器
- 奈良晒
- 奈良筆
- 奈良墨
- 奈良団扇


古楽面 Kogakumen ( Ancient masks)
7世紀はじめの頃に仏教美術のひとつとして大陸から伝わった古楽面。
「技楽面」、「舞楽面」、「行道面」と伝来してきました。
11世紀になると、能楽や狂言とともに、日本独自の面が生まれました。
赤膚焼 Akahada Yaki (Pottery)
古くから奈良、赤膚町を中心とする、西ノ京丘陵一帯は土器や火鉢などが製作されてきました。
赤膚焼の伝統的な「大和絵」を大切にしている一方で、新しい作品も作られています。
奈良人形(一刀彫) Nara Ningyo Ittobori (Wood carving)
奈良人形(一刀彫)は、平安時代末期に始まった「春日若宮おん祭り」の田楽法師の衣笠や、島台を飾った彩色の人形が始まりとされています。
江戸時代中頃には岡野松寿が奈良人形師として名声を高め、幕末から明治にかけて、森川杜園が活躍しました。
題材は能狂言、舞楽、鹿や、十二支、雛人形などがあります。



奈良漆器 Nara Shikki (Laequerware)
漆器工芸は、奈良時代の天平文化とともに生まれました。
中国からまねいた工人が制作し、その技法を日本へ伝授されたと考えられています。
奈良は日本の漆器の発祥地と言われており、正倉院には、数多くの作品が収められています。


奈良晒 Nara Sarashi (Hand-woven hemp cloth)
清須美源四郎が桃山時代に従来の晒法の改良に成功し、盛んになりました。
江戸時代初めには、麻織物の一級品としてその名が知れ渡りました。
晒は、主に、僧侶や神官の衣服として用いられ、武士の裃(かみしも)として販路が広がり、
徳川家康は、幕府の御用品とし、奈良晒の製造、販売を掌握、統制する制度をつくっています。

奈良筆 Nara Fude ( Ink brush)
空海が唐から技術を持ち帰り、大和国今井の坂名井清川に作らせ、嵯峨天皇と皇太子に献上した紙巻筆が奈良筆のルーツと言われています。無芯筆が作られるようになったのは江戸時代になってからです。奈良は毛筆製造発祥の地として、1977年に通産大臣の認定を得て、伝統的工芸品の認定を受けています。


奈良墨 Nara Zumi ( Ink Stick)
奈良墨は、遣唐使として唐へ行った空海が筆と共にその製法を持ち帰り、興福寺二諦坊で作ったのがはじまりとされています。
奈良墨は菜種や、胡麻、桐の油を燃やして作る「油煙墨」で、南都油煙墨と呼ばれました。
安土桃山時代以降に奈良墨の評判が高まりました。今日では、全国シェア90%を誇っています。
経済産業大臣認定の伝統的工芸品指定を受けています。


奈良団扇 Nara Uchiwa
奈良団扇は、奈良時代の春日大社の神官の手内職として作られた渋団扇が起源とされています。
美しく染めた和紙に繊細に施されたすかしが特色です。
天平模様や鹿、藤の花、万葉歌などが模様に使われています。
和紙を張る穂が60〜90本もあり、よくしなり、良い風がおこるため、見た目が美しいだけでなく、実用性もあります。




ならまち散策の途中に無料で入場できる「なら工藝館」へ立ち寄られるのをおすすめします。奈良に住んでいても、奈良の伝統工芸品をまとめて、ゆっくり、じっくり見れる場所はなかなかないものです。私自身も奈良の伝統工芸品にはどのようなものがあるのか、実物を自分の目で見る機会があって勉強になりました。気軽に入れるスペースになっていますので、奈良観光に来られた際はぜひ行ってみてくださいね!販売もされているようですので、気に入れば購入することもできるようですよ!