【奈良観光】世界遺産・薬師寺 World Heritage Nara Yakushiji Temple



Cocoro
Cocoro

12年間に及ぶ解体大修理事業が行われ、2021年3月1日から一般公開されている奈良薬師寺の国宝「東塔」や、特別公開されていた、「玄奘三蔵院伽藍」、「食堂」、「西僧坊」などを見学してきました。2022年3月1日からも特別公開があるようですので、お時間のある方は、ぜひ行ってみてくださいね!



薬師寺 Yakushiji Temple  





  • 場所:〒630-8563 奈良県奈良市西ノ京町457
  • 拝観時間:8:30〜17:00
  • アクセス:近鉄西ノ京駅から徒歩1分



近鉄西ノ京駅



南門 South Gate(重要文化財)



薬師寺白鳳伽藍の「南門(重要文化財)」、「中門」、「西塔」、「東塔(国宝)」、「金堂」、「大講堂」、「食堂」、「東僧房」、「西僧房」、「東院堂(国宝)」と玄奘三蔵院伽藍の「玄奘塔」、「慈恩殿」、「大門」、「本坊寺務所」などから構成されています。

南門は1512年に薬師寺西院の門として建立され、その後焼失した南大門の礎石跡に移されました。






中門 Middle Gate



中門は1984年に西塔に引き続き、復興されました。1991年には二天王像も復元されました。 









西塔 West Pagoda



西塔は1981年に復興されました。





ブロンズ製のレリーフ「釈迦八相像」



2015年に仏教を開いた釈迦の生涯を8つの劇的な情景で再現し、奉納・安置されたものです。西塔には、釈迦が悟りを開いてからの後半生四相に当たる4面のレリーフが内陣の東西南北各面に納められています。

制作したのは文化勲章受章者の彫刻家、中村晋也氏。80歳から8年がかりで制作されたそうです。

東塔には、残る4場面が納められる予定で、その時にはまた見学に行きたいと思います。
現在、中村晋也氏は95歳です。





東塔 East Pagoda(国宝)



東塔は、730年の薬師寺創建当初から唯一現存している、平城京最古の建造物です。
下から1番目、3番目、5番目の小さな屋根は裳階といい、飾り屋根で、内部は三層の三重塔です。




2021年3月1日 から 2022年1月16日 までの間、国宝 「東塔」 初層特別開扉が行われていました。

国宝「東塔」は、2009年7月に解体大修理事業が行われ、2021年3月1日より一般公開されました。12年ぶりに甦った国宝 東塔を今回お参りできて、良かったです。



金堂 Main Hall





金堂は、1528年の享禄の兵火により焼失してしまいました。 郡山城主増田長盛公により仮金堂が建てられたものの、当初の二層の金堂を復興することはできませんでした。1968年から始まった「薬師寺金堂復興」によって仮金堂は解体され、1976年に現在の金堂が再建されました。





大講堂 Great Lecture Hall




薬師寺の大講堂。講堂とは、僧侶が集まり、仏教の教義について学び義論を重ねた場所です。

創建時は持統天皇によって、阿弥陀三尊繍仏が本尊として祀られていました。 1528年の享禄の兵火によって焼失し阿弥陀三尊繍仏も失われました。 1852年に大講堂は復興しましたが、もとの大講堂に比べると小さなお堂であったので 、2003年に創建当初の規模で大講堂は再建されました。現在は、弥勒三尊像がお祀りされています。












食堂 Dining Hall for Priests




食堂(じきどう)は、僧侶が食事をするための建物です。発掘調査により、約300人が一堂に会する規模であったことが判明したそうです。



創建当初の建物は730年頃に建てられたとみられ、973年に焼失し、その後1005年に再建されましたが再び失われました。そして2017年に再建されました。堂内には田渕俊夫画伯によって描かれた食堂ご本尊「阿弥陀三尊浄土図」、 14面全長50mにわたる壁画「仏教伝来の道と薬師寺」が祀られています。





西僧坊 (国宝) 東塔水煙(特別公開)







水煙
薬師寺の国宝 「東塔」に1,300年前に作られた水煙です。最上部で東塔を護り続けてきた水煙を間近で見学することができます。





東院堂 East Hall(国宝) (鎌倉時代)



東院堂は717年から724年に長屋王の正妃の吉備内親王が母の元明天皇の冥福を祈って建立したものです。1285年に正面7間、側面4間の入母屋造本瓦葺で南向きで再建されましたが、その後、1733年に西向きに変えられました。











鐘楼 Bell Tower (重要文化財)



梵鐘は、薬師寺の梵鐘が失われたことを受けて1003年に建法寺から移転されたものと薬師寺縁起に記録されています。(奈良時代に造られたもの)







玄奘三蔵院伽藍 Genjo-Sanzo Precinct




玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)は、中国唐時代の僧侶。西遊記に登場する「三蔵法師様」ですね。
インドに17年間渡って仏教研究を行い多くの経典を中国から持ち帰り、仏教文化の発展に大きな役割を果たした僧侶です。薬師寺と興福寺が所属する宗派の法相宗の始祖です。

1991年に玄奘三蔵院伽藍が建立されました。
大唐西域壁画殿では、平山郁夫画伯が玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」を特別公開期間中に見学することができます。




礼門














玄奘塔   Genjyoto (Xuang Zang Pagoda)











玄奘塔は、玄奘三蔵の御頂骨の一部をお祀りしています。

「不東」は、玄奘三蔵が真の仏法を求めてインドに旅立ち、

インドへ達せずば東へ戻らず。 =「不東」

”一度立てた志を決して曲げることなく最後まで貫くこと”

を意味しているそうです。







玄奘三蔵院伽藍・食堂・西僧坊特別公開 2022年3月1日~6月30日



2022年3月1日より、玄奘三蔵院伽藍・食堂・西僧坊が特別公開されます。





上記でもお伝えした、「西僧坊」での水煙の特別公開と奉納品の展示や、「食堂」では、日本画家、田渕俊夫画伯による仏教伝来を表わす大作「仏教伝来の道と薬師寺」公開、「玄奘三蔵院伽藍」での平山郁夫画伯が30年の歳月をかけて描いた、高さ2.2m、長さ49mの壁画壁画「大唐西域壁画」、仏教伝来の道と薬師寺の二大壁画が特別公開されます。